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熊を知るということは

熊を知るということは、片思いに似ている。
何故なら、熊を知りたいと願う人間がその人生の中で
熊そのものの姿に出くわすことは殆どないから。
普通は熊が残した痕跡からその毎日の営みを知るしかない。
それはあたかも筆跡や文面から想い人の吐息を感じ取るような
切ない、せつない思いなのだ。

それを知ったとき、私は見た事もない深い山奥の
雪あかりに照らされた夕暮れ時のグレーな空を
ひっそりと見上げる熊の横顔に想いを馳せた。

お腹がすいて、こんなんじゃ眠れない。
でももう雪が降っちゃったから、そろそろ穴に入らないと。

熊さんはそう思っているんじゃないかな。
これが恋ならば思いきって対峙するんだけど。
相手が熊となるとそういうわけにもいかない。
だって本来は出会うはずのない相手なんだから
出会ってはいけない相手なのだから。
そして人はジレンマに陥る。

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